レーザーハープ製作の記録 #0 レーザーハープの仕組み

製作過程はこちら↓

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 今回はレーザーハープを作る前に筆者が考えるレーザーハープの仕組みを紹介します。そしてこのレーザーハープ製作日記はこの考えのもと制作が進むものとします。

 レーザーハープで弦を弾いた結果、音が出るまでの過程に使われるハードウェアの関係を端的に図で説明すると下図の通りです。

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ここで主にポイントとなる点が、

  1. レーザーハープ内センサー
  2. コンソール内でのMIDI信号への変換
  3. パソコン上でMIDI信号を音に変換する

の3点です。これからはこの3点について詳しく説明します。

 1. レーザーハープ内センサー

 まず、レーザーハープ内のセンサーの役割は「演奏者がレーザーを弾いたことを検知する」ことです。主にこのセンサーとして適するものはCdSセンサーとフォトトランジスタです。

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 上図のように、この光センサーを使うことにより「レーザーが弾かれたという瞬間的な行為を電圧の上下に変換する」ことができます。

 ここで先ほど紹介したセンサーについてに戻りますが、CdSセンサーとフォトトランジスタの大きな差は「どれほど早く瞬間的な光量の変化に対応できるか」にあります。反応速度が早ければ早いほど、より細かな手の動きに対応することができます。反応速度ではフォトトランジスタの方がCdSより優れています。そのため製作される際はフォトトランジスタを採用されることをお勧めします。(CdSで作った経験がありますが、CdSの場合感度があまり良くありません。)

 

2.コンソール内でのMIDI信号への変換

 コンソールとは「光センサーの電圧変化をMIDI信号に置き換える」役割を持つものです。コンソールの中にはマイコンが入っていて、それがセンサーからの電圧変化の情報を検知します。

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  上図のように、光センサーが変化させた電圧にしきい値を設定し、しきい値を上回ったときに特定の音程、ベロシティ情報を持つMIDI信号を発出するようなプログラムをマイコンに書き込みます。しきい値を設定する理由に関して、光センサーは周りの環境光(太陽の日差し、照明など)をも検知する場合があります。例えば屋外ステージで最初太陽が出ていたのに途中から曇ってくる場合、しきい値を設定しないと光センサーは「曇った→光量が減った→レーザーが遮られた」と検知しかねません。そのため環境光に依存せず、手で遮った時に変化するだけの値を実験して求め、それで分かった適切な値をしきい値に設定する必要があります。

 またしきい値を超えた時発出する、各弦に割り当てるMIDI信号はそれぞれ変える必要があります。そうでなければそれぞれに異なった音源を割り当てることができません。なぜMIDI信号でなければならないのかの理由は後述します。

 

 

3.パソコン上でMIDI信号を音に変換する

 パソコン上ではコンソールから送られてきたMIDI信号を音に変化させる作業を行います。「音に変化させる」部分において、便利なツールがサンプラーと呼ばれるものです。

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  上図がサンプラーの例です。サンプラーとは、「特定の音程、特定のベロシティを含んだMIDI信号が送られたとき特定の音源を流すもの」です。例えばA3、ベロシティ127のノートを受信した時、Aという音源を流す、といった具合です。サンプラーMIDI入力を受け付けるものがほとんどで、そのためMIDI信号の方が情報を扱うのにかなり適しているのです。

 レーザーハープの場合、各弦に割り当てたMIDI信号それぞれにの音源を割り当てることにより1弦ではAの音源、3弦ではCの音源を鳴らすといったようなことができます。

 

 

 以上が基本的なレーザーハープの仕組みです。もし製作される方がいらっしゃいましたら、この情報が参考になれば幸いです。長文、一部わかりにくい表現があると思われますが、何卒ご容赦ください。