2023年3月5,17,19日に鈴鹿、神戸、京都と関西を転々としながら「礬物の逆旅」と銘打って行いました、平沢進・P-MODEL・核P-MODELトリビュートバンドThe Sticky Kangaroosの公演に足を運んでくださった皆様、ライブ配信にてご覧になった方々、関心を持っていただいた方々にお礼申し上げます。さまざまなトラブルがありながらも無事完走することができました。
今回は3公演の中で京都LIVE SPOT RAGにて行いました千秋楽・礬物の逆旅2K23▽03で使用した機材に焦点を当てレポートします。
Set List
1. 崇めよ我はTVなり(礬物の逆旅 2K23▽03ver.)
2. 遮眼大師
3. サイボーグ
4. 夢見る力に
5. 美術館であった人だろ
6. Travelator
7. ハーモニウム(礬物の逆旅 2K23▽03ver.)
8. LOVE SONG(礬物の逆旅 2K23▽03ver.)
9. HOLLAND ELEMENT 2021
10. 牛人
11. TIMELINEの終わり
12. Town-0 Phase-5(礬物の逆旅 2K23▽03ver.)
13 Ash Crow
14. Aurora(礬物の逆旅 2K23ver.)
15. COLORS
EN.
1. Kingdom(Switched-on Lotus)
2. HUMAN-LE
3. ルクトゥン or Daai
石脇サンタ(Vo. Gt. Ba. T.Sax Laser Harp)
研究され尽くされた力強く美しい歌声はリアリティと共に耳に飛び込んできた!
Holland Elementで突如現れた唸るようなサックスソロは聴く人の心を震わせた!
ストラップに付けられた前日のnakaitoshifumi氏の公演記念グッズである缶バッヂも必見!
とにかく本家並のセトリをこなすのは大変でした。ギターができない分、歌だけでどうステージに立っていればいいかを考え、細かい仕草までファンのお墨付きをいただけるような仕上がりとなりました。
コピバンのために、と喉に悪い飲酒を避け、断食にもよく似た菜食の生活をするなどこのライブにかける思いは機材班にも負けないものがありました。本業のサックスはZCONのルビイさんにも負けないよう普段やらないような爆発デストロイサウンドを目指した結果音割れするまでの大迫力に仕上がりました。ぜひ本業も見に来てください。(From: 石脇)
北野たかひろ(Gt. Vi. Vo.)
立奏スタンドに鎮座するICE-αを見上げるように映すカメラの映像からは、普段のポップで色鮮やかな印象からは見られない、パーツの色のコントラストとボディの妖艶な輝きが際立つ大人びた風合いが確認できた!
さまざまな改造が施されたこのEVOは、現在進行形で可能性を追い求めている!サスティーンデバイスとタップSWは平沢サウンドに必須!
ヴァイオリンとTalbo、EVOの音を操るエフェクターは前回の礬物の逆旅よりグレードアップ!ここからLine6社のフラグシップ機が誇るエフェクトと共に迫真のヴァイオリン・ギターサウンドが会場に響き渡った!
流麗なパフォーマンスを魅せるエレクトリックヴァイオリン!
前回のライブと打って変わり登場したEVOはアカマツ氏のものを借りております。
ヴァイオリンとギターを併用する曲ではTALBOを、ギターのみの曲ではEVOを使用しており、奥にいながら主張するEVOとソロでバリバリと前に突き抜けていくTALBOで音色の差を狙いました。
ヴァイオリンはHelix LTのリターン端子に、そしてBOSS LS-2をギターinに接続しギターを切り替えています。(From: 北野)
カワグチイツキ(Dr.)
元町での公演から颯爽と現れたカワグチイツキ!
ファーストライブを終えて進化したThe Sticky Kangaroosには彼のドラムが欠かせないものとなった!
至る所で華麗なテクニックを見せながら全曲休憩なしでドラムを叩き切った彼の姿は観客席からも輝いて見えた!
礬物の礬は礬素(アルミニウム)の礬、ということで、何かアルミにちなんだ物を持っていかないと…と思いまして、YAMAHAのメタルシェルのスネア(型番不明)を使用しました。甲高くて抜けのいいサウンドが出るこのスネアを使うことで、レルレさんの音に少しでも近づけることが出来たかなと思ってます。
A Zildjian Swish Knocker 22”というシンバルもポイントだったりします。普通のシンバルとは違う独特の響き、荒々しさを持っているので、いい感じのブチギレサウンドを届けたかったのですが…本番では、前日に急いで作ったカンペをガン見しながら叩いていた関係で、結局叩けたのは「牛人」で一発だけという結果になってしまいました…
↓ちなみにシンバルの音はこんな感じです。(From: カワグチ)
アカマツチヒロ(Ba. Gt Synth)
暗い舞台で唯一自ら強い輝きを放つEVOと見た目を裏切らない壮大な低音を轟かせるEVO BASSはステージから目と耳に存在を強く訴えかけていた!
GK機器使用中を示す白いLEDが光る!出番を待ち構えるEVO BASSは照明の当たり方によって変幻自在に色の濃淡と輝きの変化を醸し出す!
今回のライブではEVOと後述のGR-55を接続し、EVO由来の音を一切出さずギターらしくない音とモデリングギターを使用しました。
今回の礬物の逆旅がパワーアップして帰ってきたように、EVO BASSも弦が1本増えてパワーアップしました。序盤の曲にあるゴリゴリしたベースの音や、後半に多かったしんみりした雰囲気の曲に対応させるため、前回登場した4弦ではなく5弦のEVO BASSを今回選択しました。今回のライブではEVO BASSと後述のHelixを接続して使用しました。
礬物の逆旅ではギター・ベースアンプがステージ上に登場せず、卓直セッティングが当たり前となっています。足元はGR-55とHelixのみで、アンプはHelix上のアンプモデリングで代替されています。GR55はPCM音源を搭載したギターシンセという特異性から、初めてGR-55を活用することができました。(From: アカマツ)
編集後記
京都市立芸術大学文化祭で行った第一回・礬物の逆旅では我々の想像を遥かに超える反響をいただきました。反響に応えるべく、それからわずか1週間後にドラマーとしてカワグチ君が新たなメンバーとして加わった新生The Sticky Kangaroosの公演計画がスタートしました。計画では1公演だけだったものの、さまざまな方からお声がけをいただき3公演させていただくことができました。その結果、RAG公演では公演終了後にたくさんの方々からの「良かったよ!」「来て良かった!」といったお褒めの言葉を頂戴しました。冒頭に述べました通り、ライブ運営に携わってくださった方々、公演に足を運んでくださった皆様、ライブ配信にてご覧になった方々、関心を持っていただいた方々にお礼申し上げます。今回の礬物の逆旅では、前回のライブレポートの終盤で述べました、「次の機会で再演することがあればよりパワーアップして戻ってきます!」という公約は達成できたのではないかと思います。記事執筆時点では次期公演の計画は立っていませんが、もし次回があるならばよりパワーアップした姿を皆様にお見せしたいと思います!